我が家のボス、ラグドールのあんじゅが一生治ることのない病気、”アジソン病”になってしまいました。
人間や、犬さんのアジソン病はそれなりに症例数もあるようですが、猫のアジソン病は非常に症例数の少ない”難病”みたいです…。
あまりにも珍しい病気で、猫の場合はアジソン病の診断がつく前に”アジソンクリーゼ”により、急死してしまう場合が多いようなので、いつかのどこかの猫さんのためにも記録にしておこうかなと思い、ブログを再開しました。
治療費も参考に最後に載せておきます。
元々仕事以外では自分のことを発信するのが得意ではなかったので、少しずつの更新になるかもしれませんが、頑張ります。
猫紹介と発症年齢
名前:あんじゅ
通称:アンさん・アンちゃん・あんちゅ
猫種:ラグドール(ブルーポイントリンクスバイカラー)
性別:オス
発症年齢:5歳になるほんの少し前
家族構成:アラサー独女の私・双子の保護猫(ファム♂・ベル♀)

アジソン病(副腎皮質機能低下症)とは?完治しない難病の真実
アジソン病は、癌やFIP(猫伝染性腹膜炎)のような知名度はありませんが、一度発症すると「生涯にわたって治療が必要な指定難病」とも言える恐ろしい病気です。
簡単に言えば、生命維持に欠かせない「副腎皮質ホルモン」が体内で作れなくなってしまいます。
「一生、薬を止められない」という現実
この病気に「完治」はありません。
- 毎日の投薬(ホルモンの補充)
- 定期的なホルモン注射(月1回)
これらを欠かさず続けることでようやく命を繋ぎ止めることができます。
もし飼い主の判断で治療を止めてしまえば、数日と経たずに「アジソン・クリーゼ(急性副腎不全)」というショック状態に陥り、いつ急死してもおかしくない極めて危ういバランスの上に立っています。
「診断される前に亡くなる猫」も少なくない希少疾患
猫のアジソン病は非常に珍しく、症例数が極端に少ないのが現状です。 これには、この病気の「診断の難しさ」が関係しています。
- 別名「偉大なる模倣者」: アジソン病には特有の症状がほとんどありません。元気がなくなる、下痢、嘔吐、震えといった「よくある体調不良」として現れるため、多くの場合は腎不全や消化器疾患と誤診されてしまいがちです。
- 検査のハードル: 一般的な血液検査だけでは確定診断ができず、特殊な「ACTH刺激試験」という検査を行わなければ見つけることができません。
そのため、適切な診断が下される前に容体が急変し、原因不明のまま亡くなってしまうケースも多いと言われています。
24時間の観察が必要な、見えない恐怖
アジソン病の猫は「ストレス」に極端に弱くなります。健康な猫なら何でもないような気温の変化、来客、物音などが引き金となり、体内のホルモンバランスが崩れて命の危険に直結します。
だからこそ、日々の「何時何分に何を食べ、どんな様子だったか」という微細な記録が、この病気と生きる上での唯一の指針となります。
発症から診断までの『地獄の2ヶ月間』
そもそも”「偉大なる偽装者(The Great Pretender)」”等と呼ばれるほど、『見つからない病気』であるアジソン病。
発症後、2ヶ月足らずで診断がついたことは、不幸中の幸いであり、地獄に仏…というような、奇跡的な話だと思います。
私が通っている動物病院は、名前は伏せますがちょっと変わった先生で有名(?)なのですが、いわゆる”名医”だったのかもしれません。
私がその動物病院に通い始めた理由は、猫の食事に対する先生の指導方針と私の価値観の一致が故なのですが、そのために片道1時間かけての通院でした。
都内に動物病院は無数にあるというのに…!
ただ、そのおかげで、今回のアジソン病早期発見に繋がったのかなと思うと、『運って不思議』だなぁと思います。
地獄の始まりはささやかな異変
2020年12月5日生まれのアンさん。
5歳少し手前の4歳の終わり、穏やかな日常に変化がありました。
元々水を一切飲まない生活を何年もしていたのに、ある日突然、水を頻繁に飲みたがるようになりました。
※我が家のニャーたちはペットフードではなく、生肉等のごはんで生きており、生肉から水分が摂れるので水を飲まないのは問題なし、という獣医師の指導の元です。
本来、猫が水を飲むことは喜ばしいことなのですが、何年も飲まなかった猫がいきなり多飲になるのはどう考えてもおかしい。
1〜2週間ほど様子をみても変わらず、確実におかしい!!と思い病院へ。
多飲以外には大きな変化はなく、アンさんはいつも通りのおっとり猫としては元気だったので、院長先生からは「腎臓かも?」とのことで検査をしました。
検査結果は、腎臓病の数値ではないものの、平均よりもリンの値が高いとのことでした。
アンさんはとにかくタンパク質が大好き!で、脂質は大嫌い…!なのですが、「脂質たっぷりの肉を食べて」という、食事療法で様子を見ることになりました。
大好きな低脂質高タンパクのささみを封印して、脂質メインの豚バラ、牛バラ生活にシフトしました。
もちろん、食べるわけもなく…。
この日から私とアンさんの強制給餌生活がスタートしました。
急激な体調悪化の始まり
食事療法で様子見を〜といわれ、なんとなく安心というか、そこまで深刻ではなさそうなことと、腎臓病ではなかったことで、少し安心していたのですが、この時から”静かな崩壊”が始まりました。
※おトイレ関係の描写があるので、お食事中の方は気を付けてください。
食事療法で脂質を!とのことだったので、指示通りの食生活にシフトしたのですが、そこから下痢が始まりました。
1週間ほど様子を見てもおさまらないので、再び動物病院へ。
いつもの院長先生に相談すると、「食事を変えたんだから当たり前。腸内細菌が入れ替わるのに最低1ヶ月はかかるから様子見で良い。」とあっけらかんと言われ、安心して帰宅。
今だからわかることですが、アジソン病では下痢はあるあるの症状のようです。
が、先生の言うように食生活を変えたからしばらくは下痢も気にしなくて良い。というのは楽観的なわけでも適当なわけでもなく当たり前で、下痢イコールアジソン病!を疑うほどポピュラーな病気ではないので、この段階で誰もわからないのは仕方のないことでした。
ここから現在までほとんどずっと下痢生活になります。
吸収病巣疑惑?顎がうまく動かず食事ができない
嫌いな脂質メインの強制給餌生活とはいえ、大好きな低脂質高タンパクの鶏ササミも少量ならと食べる許可を貰っていたので、様子を見ながら脂質と並行してあげていました。
が、今度は大好物のはずのササミを食べようとしても口からこぼれて食べられない状態に。
食べる意思はあって食べようとしても、口からこぼれ落ちてほとんど飲み込めていないみたいでした。
このタイミングで、みんな(アンさん&双子)の歯石チェックをしていたところ、アンさんの下顎左の歯がピンク色になっていることを発見。

1本丸ごとではないものの、半分ほどはピンクになっており、調べると吸収病巣の症状に当てはまる…。
「食事がうまくできないのは吸収病巣の激痛ゆえ?」と恐ろしくなり、また動物病院へ。
見た目はいろんな動物病院のブログにある吸収病巣の歯の写真にそっくりなのですが、院長先生には「猫の歯のエナメル質は人間よりもかなり薄く剥がれやすいから、エナメル質が剥がれているんだろうけど、これは痛くないはず」と言われてしまいました。
どこからどう見ても、吸収病巣の歯の写真にそっくりなのに…と思っていた私が何度か「でも…でも…」と心配な点をあげても、「抜歯してもいいけど抜歯しても食べられない状態は変わらないと思うよ」と。
そこまで言われて、抜歯して欲しい!となるわけもなく、アンさんが痛くないならそれが一番なので、この日は帰ることに。
吸収病巣のようなピンクになりかけた歯は、アジソン病とは直接関係がないかもしれませんが、とにかくこの時期は畳みかけるように次から次へと問題が起きていたので、記録に残します。
食欲喪失、好物すらも食べなくなり脱水状態に
食事療法中のため制限はあるものの、大好きで大好きで愛してやまないはずのササミさえも食べなくなり、これはおかしい!とまた動物病院へ。
院長先生は「そもそもリンの値を下げたいんだからササミ食べないならいいじゃん〜」と言っていたのですが、「大好物なのに食べたがらないのはおかしいです!!!」と私が何度も言うことで、アンさんの様子を見てくれました。
結果脱水症状っぽいかも?ということで検査もしましたが、そこまでひどい結果はなく。また様子見に。
FIP疑い?ボロボロすぎる状態に死を覚悟した日も
正直この時期は、アンさんはこのまま死んじゃうのかな?って何度も考えていて。。
もちろんそんなことになっては欲しくないけど、日に日に痩せていく身体。脂肪が落ちて背骨もお尻の骨もゴツゴツ触れる状態で、歩くのもヨロヨロしているし、ベッドの登り降りすら出来ずに失敗して落ちる。元気な時には行かなかったはずの狭くて暗い寒いところに隠れる。朝から晩まで1〜3時間おきに下痢の繰り返し。汚れたお尻を自分で綺麗にすることもできない。
そんな姿を見ていたら、死んじゃうのかもな…って。今思えば、最悪の事態になってしまった時の自分の心を守るために最悪の想定をしていたのかな?とも思いますが…。
病院では、「確かに体力が落ちすぎている。FIPの検査をするよ」と言われ、急激に弱っていくアンさんはFIP(猫伝染性腹膜炎)疑いとなりました。
「検査結果が悪ければ電話する。」と言われて、また様子見でした。
FIP陰性により、まさかのアジソン病疑惑
数日後、動物病院から着信がありました。
「検査結果が悪ければ電話する。」と言われていたので、動物病院から着信があるということは、つまり”悪い結果”ということで…。
電話に出ようとしても心臓バクバクで何度もスマホを落としまくり、とんでもない気持ちになりながら電話に出ると、電話の相手は院長先生でした。
「FIPは陰性。あんじゅの調子はどう?」と…。
えー!!!陰性なのに電話をしてくれたの?と、先生の優しさは嬉しい…けど心臓に悪すぎる!
食事が摂れないこと、下痢が24時間常に1〜3時間おきに繰り返されていること、ヨロヨロでベッドの登り降りも出来ないことなどを伝えると、「一度食事をしなくなるとそのままオフになっちゃう子がいる。点滴をして栄養を入れたらまた食欲が戻る可能性が高いから点滴をしにきて」と言われました。
朝から晩まで忙しい病院なのに、院長先生自ら電話してくださるのは、すごいことですね。
ついに”アジソン病”疑惑と検査開始
院長先生から電話で言われたように点滴のために預けにいくと、検査もします。と言われて血液検査もすることに。
そして、「いろんな検査をしてきたけど、どの病気にも当てはまらないから、これはもしかしたらアジソン病かもしれない。猫のアジソン病は極めて稀なんだけど…」と、ここでやっとアジソン病かも?という疑惑が生まれました。
アジソン病ならば、アジソンクリーゼ(副腎クリーゼ)になるリスクがあり、急性副腎不全で急死するかもしれない…
検査結果は検査機関から届くまでわからないが、アジソン病でほぼ確定だろうという院長先生の判断でステロイド注射をして帰宅。
帰ると食欲復活?久しぶりに空腹を訴えて自発的な食事や、久しぶりすぎる自分の身体へのグルーミングがあり、嬉しい涙🥲
アジソン病の確定診断に絶望と安堵
検査の結果、やはり院長先生の予想通りアジソン病で確定でした。
死ぬまで治らない病気で、治療薬の投与を続ければ問題ないとは言われているものの、逆にいえば何らかのトラブルでそれが途切れたら死に直結しているわけで…。
大きな絶望と、それでも診断がつかないままガリガリに痩せ細っていく姿を見ていたから、診断がついただけ、まだよかったという少しの安心とでとても複雑な心中でした。
アジソン病が確定したので、治療薬である”パーコーテン(Percorten-V)”の注射で”ミネラルコルチコイド”を月に1回投与。”グルココルチコイド”は毎日の投薬で、ということになり、アンさんは毎月の注射と毎日の投薬が生涯確定となりました。
闘病ブログで記録していくこと
アンさんの体調が悪化を繰り返していく頃、毎日の食事の時間や量、投薬後の反応、日々の体調など、気づいたことを毎日メモするようになりました。
これは完全に記憶力の悪い私がアンさんの体調の変化を見逃さないためであり、動物病院に行く際にも正確な情報を伝えるために始めたことだったのですが、珍しすぎる猫のアジソン病の記録して、アンさんの日々の記録を数日〜1週間くらいずつ、まとめて記録に残しておこうと思います。
検査の数値や、治療費なども残しておこうかな。記録の記事はまた別で作ります。
アジソン病の生涯必要な治療費とは
これはもう、動物病院によってピンキリだろうし、そもそもの基準になるような金額がないので参考になるかはわからないのですが、ほんの一例として考えてください。
そして私が通っている動物病院はたぶん他所よりもお安いです。
院長先生が『安くて質の良い治療を』という方針なので、他の病院ではもっと高いかもしれません。
そしてこの概算金額は、毎月体調が崩れることなく、毎月のパーコーテンの注射と、毎日の”グルココルチコイド”、毎月の血液検査のみ、で計算しています。
実際は、そんなうまくいくわけもなく、治療開始から数ヶ月の今、アンさんは入院中です…。
アジソン病を最大限に健康に過ごせた場合、5歳で発症し、平均寿命15歳までと仮定すると、
最低 2,500,000円程度
でした。
250万円です。安く安く安く見積もっても。
250万円が安いのか高いのかは人の価値観によりますが、金儲け主義の動物病院に対して否定的な院長先生だからこの金額で済んでいるだけなのかな?と思うと、普通の病院だともっと高くなるのかな…
そして、先述したように「健康でいられたら」の数字です。
この治療さえしていれば、何も起こらないわけではなく、アジソン病は小さなストレスが命取りになるような、とても繊細な状態が一生続くので、これから先どうなるかはわかりません。
今回の入院も、まだ診断がついてから数ヶ月のことです。
たった数ヶ月でイレギュラーが発生するので、「薬さえ投与していれば健康に生きている」なんて夢は見させてもらえませんでした。
エピローグの最後に
記録を残そう、ブログにしたら誰かの役に立つかも?と思ったのは数ヶ月前なのですが、私の心と身体がもたず、まとめてのエピローグとなったので、非常に長くなってしまいました。
最悪期は、毎日1〜3時間おきの下痢でお尻が汚れてしまうので、私も毎日1〜3時間おきにトイレに付き添い、トイレ後のアンさんのおしりをお湯で拭い、寝ているよね?生きてるよね?と24時間常に確認し続ける毎日に体力の限界と、辛すぎる現実と向き合い続ける心の強さがありませんでした。
今も思い返すことや、アジソン病の現実に心から向かい合うことは非常に辛いのですが、記憶が薄れてしまう前に、記録に残しておくことにしました。
今後の記録はここまで長くなることはないと思うので、安心して(?)読んでください。
この記事を読んでくださってる方は、猫と暮らす方や、猫と暮らしたい方、猫の体調不良に悩む方、犬のアジソン病の方、とかになるのかな?
全ての猫さん犬さんが健康に幸せに過ごしていけることを祈っています。
